100年企業を100社以上訪ねて、私が知りたかったこと

南星では、創業100年以上の企業を訪ね、経営者へのインタビューを通じて見えてきた
「長く続く会社の経営」を発信しています。これまで訪問してきた企業は100社を超えました。

老舗の製造業、旅館、飲食店、小売店、建設会社、地域に根差したサービス業。
業種も規模も、歩んできた歴史も違います。

では、なぜ100年企業を訪ねているのか。単純に、老舗企業が好きだからではありません。

私が知りたかったのは、
「なぜ、この会社は100年以上続いたのか?」
ということでした。

100年続いた会社には、何があるのか

会社を経営していれば、いい時期だけが100年続くことなどありません。

景気が変わる。技術が変わる。お客様が変わる。競合が現れる。後継者問題が起こる。
ときには災害や戦争、感染症のように、自分たちではどうにもできない出来事にも直面します。
それでも100年企業は残ってきました。

そこには何か理由があるはずです。
強い商品があったからなのか。
経営者が優秀だったからなのか。
地域との関係なのか。
事業承継がうまくいったからなのか。

答えを知りたくて、経営者の話を聞くようになりました。

実際に聞いてみると、きれいな話ばかりではなかった

100年企業という言葉には、
「伝統」「信用」「堅実経営」といったイメージがあります。

でも実際に話を聞いていくと、それだけではありませんでした。
経営危機。
後継者問題。
主力商品の衰退。
事業撤退。
時代に合わせた業態転換。
先代との考え方の違い。
人が辞めた経験。

「あの判断は失敗だった」という話を聞くこともあります。むしろ印象に残ったのは、100年間ずっと正しい経営判断をしてきた会社ではないということです。

失敗する。悩む。変える。それでも、次へ進む。
そんな経営の積み重ねが、結果として100年という時間につながっているのではないか。

取材を重ねるほど、そう考えるようになりました。

「変えない会社」が100年続くわけではない

100年企業を訪ねる前、僕自身もどこかで、「老舗企業=伝統を守り続ける会社」というイメージを持っていました。

ところが実際は、驚くほど変わっています。
商品を変える。
売り方を変える。
事業そのものを変える。
組織を変える。ときには、それまで会社を支えてきたものを手放す。

一方で、何でも変えているわけでもありません。
会社として大切にする価値観。
お客様との向き合い方。
技術。品質。地域との関係。

それぞれの会社に「これは変えない」というものがある。

変わらないために、変わり続ける。
100年企業を取材していると、そんな経営に何度も出会います。

このnoteで伝えたいこと

だから、このnoteを単なる「老舗企業紹介」にするつもりはありません。
会社の歴史を知るだけなら、「創業○年」「現在○代目」「こんな商品を作っています」
という記事でも成立します。

私が残したいのは、その奥にあるものです。
なぜ、その経営者はその決断をしたのか。
危機に直面したとき、何を守ったのか。逆に、何を捨てたのか。
事業を次の世代へ渡すために、何をしているのか。

そして、その話から、僕たちは何を学べるのか。
事業承継、マーケティング、組織づくり、商品開発、ブランド、危機からの再生。
100年企業の経営者から聞いた実話をもとに、「長く続く会社の経営原則」を考えていきます。

答えではなく「問い」を持ち帰ってほしい

経営に、すべての会社に共通する正解はありません。
100年企業がやったことを、そのまま真似してもうまくいかないでしょう。
だから、このnoteで一番持ち帰ってほしいのは「答え」ではありません。
自分の会社について考えるための「問い」です。

あなたの会社が、絶対に守るものは何でしょうか。
逆に、これから変えなければならないものは何でしょうか。
お客様は、あなたの会社の何に価値を感じているでしょうか。
社長がいなくなったとしても、その価値は次の世代へ残るでしょうか。

100年企業の話を読みながら、「うちの会社だったらどうだろう?」と、
一度立ち止まって考えてもらえたらうれしいです。

100年前の経営者も、おそらく自分の会社が100年後まで残るとは分からなかったはずです。
それでも、その時代、その時代で決断してきた。
その積み重ねの先に、現在があります。

次の100年企業も、今この瞬間につくられている。

このnoteでは、これからも100年企業を訪ね、その経営の裏側を記録していきます。

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